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成長のシナリオ

はじめに

平成25年9月期は、平成24年秋ごろからの円高是正や年末に誕生した新政権への期待などから景気回復が見込める状況の中でのスタートとなり、企業の新卒採用意欲も堅調に推移、12月広報開始の倫理憲章も2年目ということもあり、企業側も落ち着きやや前倒し気味の採用状況となりました。当社は、12月に創業25周年を迎え節目の年となりましたが、プロダクト売上、コンサルティング売上も順調に伸び、10月以降3月までの上期累計で売上は対前年比112%となりました。今年も採用選考のヤマバが早期化、短期化し3月後半から4月には大手企業の採用選考がほぼ終了となり、学生側には短期集中の就職活動ということでエントリー企業を絞り込む、安定志向の中でも中堅中小企業に目を向け就職活動を行うなどの動きがみられました。昨年よりは内定状況は好転しているようですが、全体としては、大手企業の短期集中選考、学生の就職活動の長期化という構図は今年も変更ありませんでした。

お陰様で前半での好調さを中盤まで維持し7月には売上、利益を上方修正し、最終的には平成25年9月期決算でのご報告のように売上は7%の増、経常利益は11.1%増と増収増益となりました。

震災からの復興の遅れ、シリア、エジプトなど不安定な世界情勢に加え、依然として日本は近隣諸国との外交上の問題が経済的にも影響を与える状況となっています。このような中、2020年の東京オリンピック開催が決定し、平成26年4月実施の消費税率アップが大きな景気の腰折れを招くようなことがなければ、当面、景気動向は安定し、新卒採用も堅調に動くと期待されます。

日本企業は海外市場で業績を伸ばす海外型企業、国内で需要を創出し業績を伸ばす内需型企業と二極化してきていますが、共に新卒採用における「優秀な人材」に対するニーズは堅調であり、加えてグローバル人材へのニーズの高まりがグローバルで実績のある「SHL」という強いブランドを持つ当社にプラスとなっています。

なお、平成25年9月にSHL Group Limited(以下、SHL社)は人事関連の会員制アドバイザリー会社である米国の上場会社Corporate Executive Board Company(以下、CEB社)に統合されましたが、CEB社は引き続きグローバルに商品ブランドとして「SHL」を継続展開していく方針であり、当社とのライセンス契約はCEB社に引き継がれております。

平成27年卒採用では、広報活動開始が前年同様12月となっておりますが、平成28年卒採用からは、広報開始が3月、選考開始が8月からと変更になることが決定しており、企業側もこれまで以上の短期化が予想される28年卒採用を視野に入れながらの採用計画を検討している状況です。これまでは経済成長の不安要因があっても堅調に推移してきた採用マーケットですが、今後はこうした日程変更による影響がどのように出てくるか慎重に見据えていく必要が出てきております。

加えて平成26年4月実施の消費税率アップが回復しつつある景気の腰折れリスクになるとの懸念も生じております。こうした当社を取り巻く厳しい経営環境と採用マーケットの変化の中で、当社を今後とも成長させるための「成長のシナリオ」をご説明させていただきます。

平成25年9月期までの結果を踏まえ、当社の目指す方向性としての「成長のシナリオ」の骨子部分での変更はありません。企業側の新卒採用ニーズは「優秀なコア人材」「グローバル人材」への対応を中心に底堅く推移しております。今後とも、これらのニーズを正確に分析し、その企業に最適な商品をスピーディに提案してまいります。

これまで以上に一層の経営体質強化を図り、役員・社員が一丸となって業務にあたり、今後とも業績拡大へとまい進していく所存です。 より一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

この「成長のシナリオ」は、現段階での中期的な経営目標であります。

平成25年11月1日
文責 代表取締役 奈良学

成長のシナリオ 目次

コア事業の新卒テスト市場に注力、中途、転職市場での補完も確実に前進

当社は、これまで、新規学卒者の採用選考における適性テストを主とした人材アセスメント(エクスターナル)サービスを中心に提供をし、このマーケットにおいて高い評価をいただいております。企業側は厳しい経営環境下では採用数を絞り込む傾向にありますが、景気回復基調の中でも、学生への質重視の「適切な人材」「優秀な人材」に対する企業の要求は年々高いものになっております。「入社後にきちんと成果の出せる人材、配属予定の業務に適性のある人材」を求めるニーズはより強くなっており、そのための適切な選考ツールが求められております。

このように新卒採用に対するニーズは底堅く、当面はこのコア事業である新卒市場での戦力集中を引き続き展開する方針です。そのためには「商品力のさらなるアップと営業組織の強化、営業効率の改善」が必要です。商品力については既存商品の改善はもちろん新商品の販売開始、開発スピードをアップします。東京、名古屋、大阪の三拠点を軸に各業界の主要企業とのさらなる取引拡大を目指します。平成23年4月に開設した名古屋オフィスも順調に取引先を拡大しております。今後も各種のイベント・セミナーから見込み客を獲得し受注・成約に結び付ける営業手法により、効率化を促進させていきます。効率的な営業活動の促進としてコンサルタントの訪問活動との相乗効果を今後も強化してまいります。また引き続き定期採用で新卒を採用し今後の当社を担う人材として育成指導してまいります。

新卒市場よりいち早く回復し現在活発化している中途採用市場に対しても代理店のネットワークからの取り込みにより成果が上がってまいりました。全国に展開した代理店チャネルを通じてそうしたニーズに細かく対応してまいります。有力な販売代理店チャネルを通じた顧客の拡大により当社の顧客数は毎年増加しておりますが、平成19年の竃日コミュニケーションズ(現潟}イナビ)の資本参加により、この拡大に一層勢いが加速していると確信しております。

現在、国内企業でも「グローバル人材」の採用と育成の必要性が大きくクローズアップされています。当面は国内市場、特に新卒採用市場に注力しながら成長戦略をとってまいりますが、世界50ヶ国にわたるグローバルネットワークを持つCEB社(SHL社)*は30以上の言語に対応した測定ツール(以下、多言語ツールという)を通じて主要国の先進的企業をはじめ1万社以上のクライアントに対し年間2千500万件のアセスメントを実施しております。国内市場では当社が引き続きグローバル人材採用を支援する体制を維持するとともに、新商品の開発等につきましても両社のもつ研究・開発力を連携してまいる考えです。

平成25年9月にSHL社はCEB社に統合されており、「SHL」は商品ブランド名となっております。

以下の4つの基本戦略を成長シナリオとして継続し今後とも売上、営業利益を伸ばし、さらには大幅に増加させるステップに載せることを当面の目標とします。

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成長シナリオ1 取引社数4,000社達成、今後も拡大、シェア50%獲得を目指す

当社の取引社数は4,113社となりました。これまで社数を4,000社まで増加させていくことを方針としてまいりましたが、この9月期で達成致しました。堅調に推移する新卒市場の中で、この先も、毎年10%程度の拡大を目指します。当社の潟}イナビ、潟fィスコといった販売代理店(販売委託先を含む)27社は、各社の取引社数を合わせ約1万社の納入先を有しております。採用適性テスト市場において当社の「IMAGES」「GAB」等のブランドイメージはトップ商品として強固なものになってきております。引き続き当社販売チャネルを通じ1万社の納入先に当社プロダクトを拡販することで新規顧客をさらに拡大していくことは可能だとみております。

景気変動を受けやすい採用市場の中でも新卒採用市場は中途市場、派遣・パートといった臨時雇用市場に比し底堅く推移しております。競合他社との兼ね合いもありますが、新卒採用市場での当社商品の強みを生かしさらなる取引社数の増加で現状3割程度と推計される当社の適性テストのシェアを5割まで上げていきたいと考えております。

また当社の競合他社の有力取引先である大手企業についても、その一部が当社の販売代理店経由で当社の販売見込み客となってきております。従来は当社の人員体制的な面からフォローしきれない点もありましたが、現在では販売代理店による営業体制ネットワークの充実により、当社コンサルタントの人的資源をこうした有力な販売見込み客に優先して投下できる環境になりつつあり、当社として積極的にアプローチしてまいる方針です。当社の新卒採用人員を今年4月入社も7名規模とし数年後の戦力人員として育てております。

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成長シナリオ2 Web化の推進による利益率のさらなる向上

当社は、創業以来今日まで質問紙法とよばれる心理テストを媒介にした情報処理型サービスを主体に事業展開してまいりました。被検者に対して長い時間の拘束ができない新規学卒者の採用選考においてこの手法は極めて有効であり、結果として当社の売上の約90%は新規学卒者の採用市場に集中してまいりました。また顧客ニーズを先取りする形で他社に先駆け、ブランド力のある適性テストである「IMAGES」「GAB」等の紙テストの主力商品をはじめ、各種のアセスメントツールのWeb化を進め、顧客企業から高い支持をいただいており、Webアセスメントツール売上は平成25年9月期も総売上高比率で62%を超え当社利益増の推進力となっております。潟}イナビ等の代理店経由で販売する適性テストは中小企業向けは紙ベースが主力ですが、今後は中堅以上の企業に向けてインターネット上のWebテストに切り替えて行く方針です。Webならば仕様変更が容易にでき代理店経由でも大手企業を取り込めると考えており、当社も在庫を持たずにすみ、物流費やデータ入力の手間が削減でき、利益率の向上につながります。 Webアセスメントツールの売上高比率65%を達成すべく努力してまいります。

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成長シナリオ3 新たなサービスの提供と新商品開発のスピード化を

すでに市場でブランドイメージを確立しているサービス商品に対してメニュー構成や品質の見直しを通じてユーザー満足度を上げていく改善努力を進めてまいり更なるシェアアップを図ります。また今後とも顧客企業のニーズにあった新サービスを市場に投入していくとともに、市場にリリースするまでの新商品の開発スピードをアップしてまいります。平成24年度には採用向け音声理解テスト「LC@Work」という対人・接客対応の職種向けの新商品をリリース致しました。平成25年度8月からはテストセンター対応の適性検査「C-GAB」の販売を開始しました。全国各地に受検会場を設け、地方都市や繁忙期の応募受検者の利便性を高めた新サービスで、今後の伸びが期待できます。これからも常に企業ニーズを先取りした市場をリードしていける商品を開発し他社に先駆けて対応できるような体制作りを構築してまいります。

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成長シナリオ4 現有社員向けサービスは顧客を絞り込み、効率営業を

採用選考場面のような社外の人に対するエクスターナルサービスに対し、配属・登用等の人事施策の適正化に関する現有社員に対するインターナルサービスがあります。景気低迷により組織拡大に対応するインターナルサービスに対するニーズは以前と比べ小さくなってきておりますが、逆に顧客企業の管理職層のスリム化要請や選抜された幹部登用等から、インターナルアセスメントを管理職登用試験制度に組み込みたいとするニーズは高まってきております。従来からこの分野への積極的展開を目指しておりましたが、当面は現状の環境のなかで当社の強みである新卒採用から入った顧客に絞りこんでの営業を継続してまいります。 特に当社直販チームは、Webテストを中心とした選考プロセスコンサルテーションを既存顧客に拡大し、深耕によりコンサルティング売上の増加を図っております。こうした選考プロセス全体の設計の助言と合わせ、顧客企業とりわけ大口顧客に対するインターナルサービスを充実させてまいります。「グループ討議」「プレゼンテーションテスト」など当社の独自性のあるインターナルサービスを中心に積極的に推進してまいる所存であります。

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注:上記文中で使用している数値データは、平成25年9月30日現在の各資料に準拠しております。